フライ・ハイ
ふと、目が覚めた。
夜半に降ると思っていたが、思った以上に強い雨足に眠気が飛んだのか、寝ようと思えど眠れずにいた。
こんな時に、色んなことが泡となり浮かび、その都度、不安という海に吸い込まれそうになる。
今までの人生の分岐点を戻ってやり直すとどうなるのか?
それを考えてしまうのは、今の状況を信じ切れてないのか、その先の状況を見えていないために不安になるのか。
どちらにしろ、その選択肢をしてきたはずなのに、それを信じ切れない自分を暗闇の中で気づいてしまう。
冒険家と思い、進んできた道を帰ることは出来ず、進んできたが崖に出たようだ。
あの空飛ぶ鳥のように大空を自由に羽ばたきたい。
あの海泳ぐ魚のように大海を自由に泳ぎたい。
そう願って進んできて、それが目の前にあるというのに、(いや、あると思っているだけかも知れない)それを本当に手に入れたいのかを問うておる。と言わんばかりの崖。
何度も失敗できるなどという安堵はない。
あったとしても、そのような気持ちで進めることではない。
後一歩でのところまで練習できる。
もがき、あがき、泡を叩き潰して、水面に顔を出すのだ。
いつかではない、来るべきフライ・ハイの日まで、やり残したことはないか。
それを考えると、ひと時も無駄にしたくないと思う。
しかし、常に張り詰めた糸では、肝心な時に糸が切れてしまうかも知れない。
張り詰める糸を緩めて、強靭な糸にし、最大限に弓を弾けるようにする。
人生は、たった一度しかない。
たった一度とわかっていても、全力を注がない自分をブチのめそう。
自分に負けるのか、自分を高めるのか、すべて自分次第とは…
自分が用意したシナリオは、こんな人生だったとさ。
さて、飛ぶ用意はできたかい?